「フードテック」が地球を救う!
「フードテック」って聞いたことありますか?
「フード」と「テクノロジー」を合わせた造語ですが、様々な分野で研究、新しい技術の開発などの取り組みが始まっている様です。今回は、フードテックについて考えていこうと思います。
食糧難を解決?
日本では人口が減少傾向にありますが、世界的に見れば人口は増え続けています。2055年には、世界の人口は100億人を超えると予想されており、深刻な食糧不足の問題を抱えています。これを解消する方法として期待されているのが、フードテックです。
例えば、AIが搭載された機械で無人農場を経営する技術が開発されれば、効率的に農産物を生産できちゃいます。食物生産の新技術や新素材などの開発が、食料問題解決の糸口として期待されているのです。
更に食材を長期保存する方法も開発・研究されています。世界には、食糧不足による飢餓に苦しむ人がいる一方で、先進国においては常に多くの食糧が廃棄されているのが実情です。日本でもコンビニなどでの廃棄が問題となっていますよね。フードテックによる食材の長期保存は、世界規模で見た食糧バランスを均等にできる可能性があります。
更に安全に長期保存ができる梱包材料も、フードテックによって開発が進んでいます。傷みを軽減するほか、何かの拍子に異物が混入してしまう可能性を減らすことが目的です。より高い食の安全性が期待できます。
国内事情で見てみると、人材不足という問題もあります。農業や漁業などの第一次産業のほか、食品製造業なども常に人材不足に悩んでおり、事態は深刻です。更に、労働人口の減少に伴い、外食産業の人材不足もささやかれています。しかし、フードテックによりロボットやAIが開発されることで、省人化や無人化ができれば人材不足の解決につながります。
この様に、様々な分野やシチュエーションで、フードテックは非常に期待されているのです。
ただ、問題がないわけではありません。
フードテックはお金がかかります。たとえば、太陽光に代わる光を作るための電気代や、雨水に代わる水道代がかかります。
また、必要な栄養が入った栄養液代のほか、肉を科学的に作り出すための科学用品代など、食品開発にも多くの費用が割かれてしまうのです。技術の進歩で解決していかなければなりません。
最先端のテクノロジーとは!
人口肉
人口肉と聞くと、何だか健康に悪そうな感じがします。但し確実に需要はあるみたいです。例えば、菜食主義者の代用食品として限りなく本物の食用肉に近付けた人工肉です。水や小麦、自然由来の油などを用いた植物由来の肉によって、本物の肉を食べなくても、健康に害を及ぼさずに栄養を摂取できるとして注目されています。
人工肉は大豆ミートやグルテンミートといった製品として、すでに市場に出回っている食材です。特に、アメリカなどの国外の市場では、肉ではないのに肉売り場に置かれるなど、すでに一般的な食材として認知されつつあるみたいですね。
植物工場
これは日本でも既に広がりつつあって、我々にも直接関係する産業となっています。そもそも農業は、異常気象や害虫など、外的要因に強く影響をうける産業です。これは国内外問わず、世界的な問題として常に取り上げられてきました。
この課題を解決するために生まれたのが、植物工場というフードテックです。屋内での栽培が可能になったことで、生産量が天候や害虫に左右される心配がありません。
また、砂漠や、栽培に向かない気候の地域でも、農業を営むことができるようになります。各生産者の生産性が飛躍的にアップすることが期待されています。
細胞培養
細胞培養とは、動植物の食べられる部分の細胞だけを抽出し、それを培養させる技術です。本物と変わらない牛肉や魚、野菜などの食材を作り出すことができます。たとえば、培養肉は牛などの動物の幹細胞を培養し、増殖させて作り出した代替製品のことを指します。
膨大なコストがかかることが課題ですが、地球環境にもやさしく、衛生管理もしやすいことから、非常に期待されているテクノロジーの一つです。
新食材
これまで人類が食してこなかった食料を生産するようなフードテックもあります。ミドリムシを粉末にしてクッキーやドリンクにした製品、必要な栄養がすべて採れるグミなど、新食材と呼ばれるものです。
なかでも昆虫は、栄養価が高く、環境にかかる負担も低いため、商品開発やレシピの研究が進められています。食材として認められれば、低コストで大量生産も可能です。国によっては高級食材として扱われるほどで、注目度の高い新食材の一つです。日本でも最近コオロギを養殖して、食材として扱われるようになってきました。まだ食してませんが、ちょっと抵抗があるのは私だけでしょうか…。
ほんの少しの工夫で!
食にまつわる諸問題は、世界的にも大きくなってきております。主な原因には、地球規模での温度の上昇や気候変動なども影響しているでしょう。
我々の普段の生活の中で、ちょっとした工夫をするだけで変わることも沢山あります。
豊かな食生活を送るためにも、地球に優しい生活を送りましょう!